ずっと心に残っている子供の詩『お母ちゃんは何でもないのに泣きます』

数十年前に、週刊誌に掲載されていた村松友視さんのあるエッセイが忘れられません。

元教員で教育評論家の吉岡たすくさんの教え子のことが書かれていました。

教え子の詩(作文)の内容に疑問を持った吉岡たすくさんが、教え子に尋ねたやりとりが心に残っています。

先生「さっちゃんのお母さんは、何でもないのに泣くの?

教え子「先生、そうなの。お母さんは何でもないのに泣くのよ。この前ね・・・」

お母さんの涙の理由とは。

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小学校三年生 さっちゃんの詩

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先生はどんな時に泣きますか
わたしは悲しい時に泣きます
おばあちゃんはうれしい時に泣きます
お母ちゃんは何でもないのに泣きます
妹はいつも泣いています
お父ちゃんは泣きません
でも、テレビを見ていて時々泣くことがあります
その時は必ず
せきを一回して便所に行きます

 

この詩を読んで、吉岡先生は思いました。

「さっちゃんが悲しい時になくのは分かる」

「おばあちゃんがうれしい時に泣くのも分かる」

「妹もお父さんも、泣く理由はだいたい分かる」

でも、「お母ちゃんは何でもないのに泣きます」のところが分かりませんでした。

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お母ちゃんが泣いた理由とは

ある日、吉岡先生は、さっちゃんに「お母さんが何でもないのに泣いた」ことについてくわしく尋ねました。

さっちゃんは、お母さんが泣いたときのことを、吉岡先生に話しました。

それは、こういう理由だったんです。

ある日の朝、お母さんが朝ごはんの支度をしている時に、頭が痛くなりました。

そのため、お母さんは朝ごはんの支度が終わった後、お布団をひいて休むことにしました。

お母さんは、さっちゃんと二人のお兄ちゃんに言いました。

「お母さんは頭が痛いから少し横になるけど、朝ごはんがテーブルの上に用意してあるから、ちゃんと食べて学校に行きなさい」

二人のお兄ちゃんは、朝ごはんを食べて、さっさと学校に行きました。

さっちゃんは、朝ごはんを食べ終わった後、お母さんの枕元に行って、こう言いました。

「お母さん大丈夫?」

「わたしね、今日早く学校から帰ってくるね。早く帰ってお手伝いするからね」

あ母さんは、「さっちゃん、ありがとう。お母さんはすぐ良くなるから、心配しないでね」と言いました。

そして、さっちゃんは、「行ってきます」と行って、学校に行きました。

ところが、5分もしないうちに、さっちゃんは大急ぎで戻ってきました。

「お母さん、さっき早く帰ってくるといったけど、わたし今日、おそうじ当番だった。ごめんね、早く帰ってこれないの」とさっちゃんは悲しい顔で言いました。

そして、またバタバタと出かけていきました。

それから又、さっちゃんは急いで家に戻ってきました。

お母さんは、「そんなに急いで何だろう」と思いました。

さっちゃんが最後に戻ってきた理由

3回戻ってきたさっちゃん。

「お母さん、今日のおそうじ当番ね、アキちゃんに代わってもらうから、やっぱり早く帰ってくる!」とさっちゃんは、ニコニコ顔で言いました。

その時、お母さんの頬からスーッと涙がこぼれました。

お母さんの涙を見て、さっちゃんは「お母さんは何で泣いたんだろう」と思ったので、詩の中で、「お母さんは何でもないのに泣く」と書いたのです。

お母さんは、さっちゃんのやさしさに感動して涙を流したのですが、当の本人は、涙の理由が分からなかったのです。

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