日本での認知症患者は、2012年の推計で、約462万人といわれています。
認知症には、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体認知症などがあり、
日本人に多いのはアルツハイマー病で、半分を占めます。
アルツハーマー病は、その発症の約25年前から、アミロイドβ、タウと呼ばれる
2種類のタンパク質が脳内に蓄積していることが分かってきました。
イギリスの大学で開発進む
ドイツのアロイス・アルツハイマー博士が、最初にこの病気を報告したのは100年前。
今、イギリスの大学では、脳を傷つけるタウを分解する薬を開発し、
臨床試験にすすんでいるようです。
アメリカでは、今まで100以上のアルツハイマー病の薬を開発しようとしましたが、
失敗したとのことです。イギリスでの新薬開発はどうなるのでしょうか。
アミロイドβやタウというタンパク質が、なぜ蓄積するかなど、
今後の研究が期待されるところです。
アルツハイマー病と糖代謝の関係
アルツハイマー病が、初めて学会に発表されたのは、前述の通り、
ドイツの精神科医アロイス・アルツハイマー博士が、精神科の地方大会で行った
病理報告がきっかけでした。
そこで、未知の精神疾患の存在が明らかになり、博士の名前にちなんで、
「アルツハイマー病」とされました。
アルツハイマー病と糖代謝の関係については、1980年以降の論文で、
150もの論文があります。
◆痴呆は脳血流および酸素代謝の障害と関係がある。
アルツハイマー型痴呆の始まりでは、大脳毛細血管グルコース(ブドウ糖)
が異常に低下している。(オランダのホイヤー・1982年)
◆アルツハイマー病患者の側頭部皮質から分離された毛細血管が、
ブドウ糖の摂取の低下を示した。(アメリカのマーカス・1989年)
◆早発性初期と遅発性初期のアルツハイマー型痴呆の主要な障害は、
脳のブドウ糖利用の有意な低下である。(オランダのホイヤー・1991年)
◆低酸素や低血糖がある時間続いたり、繰り返して起こると、重い不可逆的な
変化を脳に起こして痴呆可することがある。特に糖尿病で血糖を下げるような薬を
使っている例では、低血糖に充分注意する必要がある。(長谷川和夫・1991年)
等々、やはり、低血糖はアルツハイマー病を招くのです。
日本免疫治療研究会会長の西原克成会長は、アルツハイマー病の原因として、
甘く冷たいもの、アイスクリームの大量摂取を問題にされています。
アルツハイマー病にかかった著名人としては、
レーガン元大統領や俳優のチャールトン・ヘストンが有名です。
なかでも、レーガン元大統領はアイスクリーム好きだったらしく、
7月を国民的アイスクリーム月間としたその月の第三日曜日を、
アイスクリームの日と定めています。
西原会長は、アイスクリームの大量摂取が、なぜアルツハイマー病につながるのか、
言及はされていませんが、低血糖の反復ということを考えれば理解できます。
また、自治医科大学の植木彰教授は、
「よくわかるアルツハイマー病―実際にかかわる人のために」(永井書店)の中で、
「アルツハイマー病患者の食行動異常には、糖分特に精製された砂糖の過剰摂取
が目立つ。具体的には、アメを一日中なめる。おはぎや大福なら5個くらいは
平気で食べてしまう。コーヒーに砂糖を三~四杯入れてしまう。
アイスクリームを一日に五~六個食べてしまうなどである」
と書かれています。
最後の話は、怖い話です。
甘党の方は、このアルツハイマー低血糖原因説を頭の片隅に入れていただいて、
アイスクリームや甘い物の爆食は控えるようにしましょう。
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