
統合失調症は、幻想や幻覚などの症状が特徴的な精神疾患で、100人に1人かかる病気と言われています。
原因ははっきり分かっていませんが、栄養学的アプローチで、多くの患者さんを快方に向かわせている病院、クリニックもあります。
統合失調症と低血糖症
数十年前から、統合失調症患者に低血糖症の患者が多いことを示した文献はありました。
「慢性統合失調症と分類された患者のうち70%が、何らか形で低血糖症えお示していた」(米国 W・ビーベ、O・ウェンデルの論文から。1973年)
「統合失調症の患者の70%以上が、相対的低血糖症である。」
「ほとんど100%が食事が正しくない。」
「低血糖症の治療に用いられる食事法は、統合失調症患者全員の治療に価値がある」(米国 R・マイヤーズの論文から。1973年)
「低血糖症では、神経の働きに欠かせない燃料、すなわち糖が欠乏しているので、 その結果として脳が影響を受ける」
「気分の変化、うつ、不安、いらいら、集中力低下、パニック感、それに自殺傾向など、さまざまな症状が起こる」(英国 マーティン・バド著「低血糖―二十世紀の疫病?」より)
統合失調症は低血糖症であることが、5時間糖負荷試験の結果からも判明しています。
このグラフは、17歳で統合失調症と診断された女性が10年後に検査した5時間糖負荷試験の血糖曲線です。
食後二時間半後には、血糖値44という異常に低い数字です。
この女性の父親は、「発病後十年間に7カ所で診察してもらったが、薬の投与ばかりで、いっこうによくならない」と言われ、1日に服用していた薬は11種類、薬漬けの状態でした。
統合失調症発症後、引きこもりになったり、狂乱状態が続いたり、拘束式の病院にも入院もされました。
ところが、この女性が低血糖の検査をし、重度の低血糖症だったことが分かりました。
事実、食後二時間半後ほどで半狂乱状態になっていたことに気づきました。
今までは、食事との関係や血糖値との関係があるとは考えられなかったので、気づかなかったのです。
そして、栄養療法とサプリメントで、症状が改善し、日常生活が安定していきました。
今まで血糖値をチェックしていなかったら、一度調べてみたらいかがでしょうか?
精神科医の認知度が低い低血糖症
低血糖が脳に及ぼす影響は大きく、統合失調症と診断されてもおかしくない、狂乱状態、幻聴、幻覚が起こります。
しかし、低血糖による症状であるのもかかわらず、低血糖の検査もせず、薬漬けになっていけば、入院している患者さんは、
いつまでたっても退院することはできません。
ところが精神科医の低血糖症の無理解は、今に始まったことではなく、精神科の診断には低血糖症という病名が欠落しているようです。
厚生労働省のみんなのメンタルヘルスというサイトにも低血糖症という記述は見当たりません。
ある病院では、患者の家族が、息子にサプリメントのナイアシンを服用させたいと、申し出ても、入院中は許可しないと言われたことがあるそうです。
しかも、「砂糖の摂りすぎ」(ポテトチップ、チョコレートなどの甘いお菓子)で、精神に異常をきたした低血糖症患者に対して、求めるままに病院でお菓子を与え、低血糖症の検査もせず、著しい血糖の上昇による副作用を起こす可能性のあるジプレキサという薬を投与していました。
保険適用の糖負荷試験は2時間が最長で、5時間糖負荷試験が一般的でないため、医師も積極的に検査をすすめないのかもしれません。
そのため、低血糖症が見逃されてきましたが、もはや見逃してはいけない病気です。
千葉県稲毛市のマリアクリニックでは、平成16年間から平成20年の5年間で、5時間糖負荷試験を受けた患者1041人の調査報告をしています。
そのうち実に998人(95%)が低血糖症でした。
5年間の来診者128人が、別の医療機関で統合失調症と診断されていました。
また、91人が、うつ病と診断されていました。
心の病で悩んでいる方で、5時間糖負荷試験を受けてない方は、是非、最寄りの医療機関で検査を受けてください。
また、食事を見直し、不足しているビタミン、ミネラルを摂るようにしてください。
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