風に立つライオン 熱帯地域の悪い空気がもたらすマラリア?

masai

さだまさしさんの「風に立つライオン」

主人公は、1960年代の終わりに、ケニアにある長崎大学熱帯医学研究所に出向した

柴田紘一郎さんがモデルとか。その映画が公開されました。

何事も「オッケー、ダイジョウブ」と過酷な環境の中で僻地医療に貢献した島田航一朗医師。

クモやサソリ、マラリア原虫を媒介するハマダラカとも闘っていたのですね。

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イタリア語で、「悪い空気」を意味する「マラリア」

マラリア

日本では年間100人の輸入マラリア患者がいるようですが、

世界では亜熱帯・熱帯地域で、年間3億人~5億人が羅患し

150万人~270万人の死亡者がいるという恐ろしい感染症、マラリア。

小説の中でも数ページに渡って触れられていますが、

予防薬も100%効くわけではないようです。

マラリアは、ハマダラカが媒介する感染症ですが、

昔は、病気というのは、よどんだ水、湖や沼地などから蒸発する不健康な空気

によってもたらされるものと考えられていました。

そうした不健康な空気を彼らは、「瘴気(しょうき)」と呼んでいました。

医学の父 ヒポクラテスの論文『古い医術について』の「空気、水、場所について」

の章の中でも書かれているそうです。

古いイタリア語で、「悪い空気」を意味する「マラリア」も、

「瘴気(しょうき)」が引き起こす病気と考えていたのでしょう。

マラリアに感染するのは、湖や沼地から蒸発した「瘴気(しょうき)」

のせいではありませんが、そういした場所に生息しているハマダラカ

によってもたらされるので、全く間違っているわけではありませんね。

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 マラリアとそら豆中毒症の関係

そら豆

唐突にそら豆中毒症が出てきましたが、実はマラリアとは関係があるのです。

まず、そら豆中毒症について説明します。

そら豆中毒症は、世界で最も広まっている酵素欠損症です。

ブドウ糖-6-リン酸脱水酵素(G6PD)が欠損している人が、

そら豆を食べると、中毒症状を起こしてしまいます。

この酵素を持っていない人は、世界で約4億人います。

中毒症になると、最悪の場合、重い貧血を起こして死んでしまいます。

そら豆に含まれているビシンコンビシンという物質が、

活性酸素を作り出し、赤血球を攻撃して破壊するのですが、

通常はブドウ糖-6-リン酸脱水酵素(G6PD)があるので、

活性酸素から赤血球を守ってくれます

ブドウ糖-6-リン酸脱水酵素(G6PD)が欠損している人の場合、

活性酸素が赤血球を破壊し、溶血性貧血となり、最悪の場合、死に至ります。

さて、このG6PD酵素を持っていない人たちはどこに住んでいるかというと、

そら豆を栽培している北アフリカ、南ヨーロッパと地中海を囲む地域で、

それは、そのままマラリアが発生している地域と重なっているということです。

そして、G6PD欠損症は、そうでない人と比べて、亜熱帯マラリアに2倍の耐性

があることが分かっています。

普通の血液とG6PD欠損症の血液とでは、

マラリア原虫は、普通の血液を好むのだそうです。

マラリア原虫は、繊細な生き物で、きれいな血液でしか生き延びることができないからです。

年間何百人という人が無くなる恐ろしい感染症でも、自然の不思議は、

数億人というG6PD欠損症という病気を作ってでも、人類が絶滅するのを避ける

ために働くのですね。

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