
わが家では、洗面所には固形石けん、キッチンと洗濯用に合成洗剤を使っています。
品質表示は読んだことがなかったのですが、ちょっと気になって読んでみました。
でも、読んでみても意味がよく分からないんです。
消費者庁のサイトで、「家庭用品品質表示法」を読んでも、理解できませんでした。
一般の人には理解できないようになっているのでしょうか。
品質表示で理解できたのは、使用上の注意のところだけでした。
使用上の注意をよく読んでみた
我が家で使っている台所用合成洗剤には、こんなことが書いてあります。
使用上の注意
●子供の手の届くところに置かない。●用途外使用。●使用後は水で手をよく洗い、お肌のお手入れを。●荒れ性の方や長時間使用時、原液をスポンジ等に含ませ使う時は炊事用手袋を使う。●流水の場合、食器及び調理用具は5秒以上、ため水の場合は水を2回以上すすぐ。●薄めた液を長時間おくと変質する事がある。●つめかえ時にキャップを開けるとき、キャップ下部の切れ込みにご注意ください。
警告 眼刺激 (JSDA-GHS)
原液をスポンジに含ませて・・・とありますが、そういう使い方しかしていませんので、本来、炊事用手袋を使わないといけなかったのですね。
そして、お肌のお手入れもしないといけません。
次に洗濯用合成洗剤の応急処置。
応急処置
●目に入った時は、こすらずにただちに流水で15分以上洗い流し、必ず眼科医に受診する。●飲み込んだ時は、吐かずに口をすすぎ、水を飲む等の処置をする。異常が残る場合は医師に相談する。※受信時は商品を持参する。
応急処置のところは、読んでおかないといけないですね。
小さいお子さんや、高齢者の方の目に入ってしまった場合、とっさのことで目をこすってしまうかもわかりません。
流水で15分以上洗い流すことを知っていれば、即座に行動することができるはずです。
そして迷わず眼科医の元へ。
それにしても、流水15分以上というのは、相当な時間ですね。
他にも、昨年4月から販売されるようになったジェル状の洗濯用パック型洗剤は、幼児の誤飲事故が多く発生しているようです。
同じような事故は、世界で年間約1万6000件以上あるようです。
液体入りパック型洗剤を誤って飲み込むなどの事故が、国内で販売が始まった昨年4月~今年1月に152件あったと発表した。うち110件は3歳以下の事故で、担当者は「子どもの手の届かない場所に保管してほしい」と注意を呼び掛けている。(産経ニュース)
合成洗剤の誤飲した時の応急処置はコチラ ⇒ 誤飲・誤用の応急処置
高級アルコール系・除菌成分(有機系)って何なの?
製商品に書かれている成分表示、使用上の注意などの文字の大きさは、読む気がおこらないくらい小さな文字で印刷されています。
しかも、意味がよく分からない。
言葉が持つイメージを販売に結びつけようとしているのでしょうか。
タイトルにある界面活性剤(高級アルコール系)は、何だと思いますか?
高級というのは、いかにも高級な原料を使っているように思ってしまいます。
この界面活性剤(高級アルコール系)を使用している商品の場合、そのメーカーのサイトで確認すると、「ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩」と「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」であることが分かります。
この2つの成分を高級アルコール系と一括表示をしているのですが、「アルキル」の炭素数が多いので高級という化学用語を使用しているのです。
- 低級 炭素数1~5個
- 高級 炭素数6個以上
飲むことができるアルコールは炭素数2個のエチルアルコールですが、化学用語を使うとすると、低級アルコールとなります。
セチルアルコールは炭素数16個で、高級アルコールになりますが、飲むことはできません。
しかも部外品として使用する場合は、アレルギーを起こしやすいので、表示指定成分になっています。
高級アルコール系は石油が原料ですが、ヤシ油などの油脂からも作ることができます。
このことを利用して、「ヤシの実洗剤」「植物生まれ」などと宣伝されている製品がありますが、一部の成分が植物から作られているだけで、ほとんどが石油系の原料で作られている製品もあります。
カーテンやソファーの嫌なニオイを消したり、除菌ができるスプレータイプの製品には、「除菌成分(有機系)」との表示がされていますが、有機とは単なる化学用語です。
オーガニックなら安心と思いがちですが、それは勘違いです。
食品で使用している有機食品とは意味が違い、「炭素と結合している」「有機化合物」という意味です。
病院には、病室の入り口にプッシュタイプの消毒薬が設置されています。
手のひらにつけて消毒をしますが、吸い込んでしまうかもしれない除菌剤を空中に化学成分が目に付着したり、肺の奥まで吸い込んでしまうかもしれません。
このように、言葉の持つイメージだけで判断するのは危険です。
メーカーの意図が、そのイメージを悪用しようとしているのかどうかは分かりませんが、健康被害を招く可能性があるものについては、よくよく注意が必要です。
参考資料:
『石けんと合成洗剤50のQ&A』(合同出版刊)
『ファブリーズはいらない』(緑風出版刊)