2012年の9月に始めて、鹿毛康司さんを知り、著書の『愛されるアイデアのつくり方』を知りました。
東京駅八重洲口近くで行われた出版記念トークショーでお会いしました。
本の表表紙にも書かれていますが、鹿毛さんは、エステーの特命宣伝部長で、あの『消臭力』(ショーシューリキ!)のテレビCMを作った方です。
最近のCMについてはコチラ。
耳から離れないCM「さくらまやちゃんのエステーの米唐番」動画が凄すぎる!
【エステーの米唐番CM】タイ語バージョンは、さくらまやちゃんが歌うのか?
アイデアを生む3つのポイント
この本には、愛されるアイデアを生む、合計11個のアイデアの法則が書かれています。
その中の一つ、『必ず現場に行って、五感で真実を感じる』を取り上げます。
数々のヒットCMを送り出してきた鹿毛さんの元には、ときどき小さいお子さんからも、ファンレターが届くそうです。
きっと、消臭力のCMに出ていたミゲル君のファンなのでしょう。
そのファンレターの中に、「CMはどうやってつくってるんですか?」という小学生からの手紙がありました。
鹿毛さんは小学生にどういう話をしたら分かってもらえるだろうかと、いろいろ考えた末に、次のような返事を書きました。
この手紙の中に、アイデアを生みだす3つのポイントが書かれていました。
CMとは、好きな女の子に告白するようなものだと思っています。君は、その子に振り向いてもらって、君のことを「ちょっといいかも・・・・・・」と思ってもらうためにどうしますか?そして、そのチャンスが15秒しかないとしたら・・・・・・。
返信は、こんな書き出しから始まります。
小学生にも分かりやすいように、教科書的ではなく、語りかけるように、CMのつくり方について書かれています。 き出しが素敵ですね。
相手を知る、自分を知る、そして相手と自分をつなぐアイデアを見つける
15秒で君のよいところを伝えて、そして好きになってもらうためには、どうしたらいいのでしょう。きっと、その女の子のまわりには、素敵な男の子(ライバル)もいるでしょう。そんな中で、君のよさをその女の子にたった15秒で伝える!むずかしいですよね。
同じ女の子を好きなライバルが登場してきましたね。
しかも素敵な男の子。
自分よりカッコイイかもしれない手強いライバル。
えっ、自分の良さを、たった15秒で?時間制限がなくても難しい・・・・・・。
手紙の続きでは、女の子をクライアントに、ライバルを他社や他社の商品、ビジネスパーソンに置き換えて考えてみると、より実感が湧いてくると思います。
まずは、その女の子がどんな生活をしているのか調べましょう。もちろんその子はどんな男の子が好きなのかも調べる必要があります。時間をかけて、じっくり調べます。彼女を振り向かせたいと本気で思うのならできるよね。
ここはすごいところです。
小学生に分かりやすく教えてくれています。
「リサーチ」がすごく大事なんだよ、と。
しかも、時間をかけて、じっくり調べなさい、と。
そして、時間をかけて調べられないというなら、それは本気度が足らないからなんだよ、と。
本気なら、決して行き当たりばったりにはならないのですね。
次に、君が、自分のなかで「誇りに思うこと」を見つけ出します。足が速い?勉強ができる?話が面白い?優しい?なんでもよいのです。ウソはいけません。必ず君にはいいところがあります。それをしっかり洗い出しましょう。
そうか、自分のこと、自分の商品、自分の会社のことをよく知らないといけないんだ。
そしてウソはいけない。
しっかり洗い出すのはエネルギーを使いますが、「必ず君にはいいところがあります」と断言してくれてたので、誇りに思うこと、いいところが見つかりそうです。
そして、その女の子に、どの「誇り」を伝えたら効果があるかを考えてください。相手の目線で考えるんですよ。君が伝えたいことと、相手が知りたいことは時に違うものだからです。
自分だけに意識があったらいけないのですね。
相手の目線で考えることが大切。
「伝えたいことと、相手が知りたいことは時に違うもの」 日頃の会話で、本当に相手が聞きたいことを自分が話しているのか、適切な会話のチェックポイントですね。
例えば、君が「早く走る」ことが最も得意だと思っているとします。だけど、「オレ、足が速いんだ」と伝えても駄目かもしれません。だって、その子はスポーツができる子よりも、勉強ができる子のほうが好きなのかもしれないのだから。だから、女の子のことをよく知らなければならないのです。そして自分のことを知らなければいけないのです。
ここでは、リサーチが大事な理由を具体的に教えてくれているところです、相手のことを知る、自分のことを知る。
足が速いことを喜んでくれることがわかったとします。しかし、そのまま伝えても効果は薄いかもしれません。ちょっと工夫が必要です。
スピーチの基本は、コンテンツとデリバリーといわれますが、デリバリー、どう伝えるかが大事なんですね。
また、工夫も必要。
「オレ、足が速いから、何か君に困ることがあったら、すぐに駆けつけるよ」というと、振り向いてくれるかもしれません。これがクリエイティブというやつです。そういう「相手に喜ばれる“自分のよさ”を伝えることができるアイデア」を探し出すことがとても重要です。だから、そういうことをたくさん考えるのです。
「オレ、足が速いから、何か君に困ることがあったら、すぐに駆けつけるよ」 この伝え方は、通販のジャパネットたかたの創業者 高田明氏の伝え方に通ずるものがありますね。
パソコンの仕様を伝えるより、使い方とか利便性を強調されていましたよね。
こんなキラーフレーズを、小学生の時に教えてもらいたかったです。
少なくとも、中高、大学で、その成果を出せたかもしれません。
相手に喜んでいただくために、と常時考えることですね。
それが、CMヒットメーカーの鹿毛さんの日常なのでしょう。
10個も20個も、30個も40個も、いやいや100個も200個も、たくさんたくさん「どう言ったらよいか」、そのアイデアを考えましょう。そして、「これだ!」というのをひとつだけ決めて、それを15秒で伝えます。いっぱい考えた中から、ひとつだけ選ぶのです。「あれもいいたい、これも言いたい」はダメです。なぜなら15秒しかないからです。一点突破でラブアタック!これが、CMをつくるときの「やり方」です。
短い時間のCMで、これだけの労力をかけるのですね。
日常の会話の一つ一つの言葉も、ここ一番という時には、15秒のCMをつくるくらいの時間と労力をかければ、思ってもみなかった展開になるかもしれませんね。
とことん噛み砕いて説明したらこうなった。だが、いま読み返してみても、ここには、僕なりに考えているCMづくりの品質が表現されていると思っている。ポイントは3つ。 1、相手のことを知る。 2、自分のことを知る。 3、相手と自分をつなぐアイデアを見つける。 CMづくりとは、結局のところこの3つに尽きるのだ。
鹿毛さんは、このCMづくりの3つは、けっしてCMだけのことではなく、あらゆる仕事の本質には、この3つのポイントが存在していると言っておられます。
そして、大切なことは、この3つをとことん突き詰めることだと。
東洋オンラインのこの記事に、鹿毛さんのことが詳しく書かれています。
「エステーCMの父」流、突出社員の生き方 – 東洋経済オンライン
読みたくなったら、コチラ
⇒【楽天ブックスならいつでも送料無料】愛されるアイデアのつくり方 [ 鹿毛康司 ]
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