『わたしって どんな人?』(杉田峰康著・学研教育出版)本体2,800円。
この本は、心理学で有名な杉田みねやす先生が書かれた本です。
小学校の高学年向け(小4・小5・小6)に書かれた本だと思いますが、大人が読んでも、すごくためになる本です。
中身は、イラストがたくさんあり、文章が少なめの絵本のような本です。
この本を読んでほしい理由
杉田先生の本はたくさん持っていますが、この本が一番好きです。
理由は、分かりやすいからです。
むずかしいことも書いてありますが、むずかしいところは読まなくてもいいです。
分かるところだけ読んでも、意味が分かりますし、参考になるところがたくさんあります。
友だちとの人間関係や悪口、自分の正確のことでなやんでいる人に、読んでほしい本です。
お父さんやお母さんもいっしょに読んでほしい本です。
この本のはじめに、杉田先生は、次のように言っています。
この本は心理学の本です。
もしあなたが「もっと明るい性格になりたい」「友だちと仲よくなりたい」などと、
思うことがあるなら、まず自分「(わたし)」のことを考えてみてはどうでしょう。
心理学という人間の心を科学的に研究する学問によって、
「性格は、自分のすがたに気づくことによって、かなり変えることができる」
ことがわかってきました。
この本では、エコグラムという性格をあらわす「心のグラフ」を使って、心の状態や心の働きを教えてくれています。
また、それが分かったら、こういうトレーニングをしたらいいですよ、とアドバイスをしてくれています。
自分の性格を知ることができる簡単な50個の質問に答えるだけでできちゃいます。
質問に答えて、その結果を自分でグラフにすると、12個のタイプに分かれます。
自分でも作ってみましたが、家族3人みんな違うタイプでした。
心のグラフ12個のタイプは次のようなものです。
1、右肩上がり型・・・がんこおやじタイプ
2、への字型・・・たよれるタイプ
3、山型・・・しっかり者タイプ
4、逆への字・・・自分好きタイプ
5、右上がり型・・・あまえんぼうタイプ
6、N字型・・・つくす人タイプ
7、逆N字型・・・自己主張タイプ
8、W字型・・・なやめる人タイプ
9、M字型・・・ほがらかタイプ
10、谷型・・・強がりタイプ
11、右の谷型・・・合わせすぎタイプ
12、直線型・・・安心な人タイプ
12個の型それぞれに、性格、行動パターン、長所と注意点などのアドバイスが書かれています。
自分の行動パターンや長所を知ることは大切なことだと思います。
また、この12個の型は、いいとか悪いとかということではありません。
長所でもあり短所でもあり、それがその人の個性であるともいえます。
ただ、性格や友だちとの人間関係などでのなやみがあったら、相手のことをよく知ろうという行動を増やしたり、自分にたりなかった行動パターンを増やしたりして、
なやみを解決する方法を考えるのに役に立ちます。
なりたい自分に近づこう!
自分の型が分かったら、性格、行動パターン、長所と注意点を見てみましょう。
自分の性格や行動パターンとはちょっと違うなと思っても、その型の特ちょうを見ていくと、なりたい自分が分かってきます。
第2章の「なりたい自分に近づこう」のところでは、杉田先生が、トレーニングの方法を具体的に教えてくれています。
心の働き、長所、短所、
『こんな行動をしよう!』
『こんなことばを言おう!』
は大変参考になると思います。
それを実行したら、
いっきに自分のまわりのかんきょうがかわってしまうかもわかりません。
・・・などと書いても、具体的に書かないと分からないですね。
参考までに一つだけ紹介します。その前に5つの心の説明をします。
50の質問に答えると、自分の中の5つの心の強弱、高低が分かります。
5つの心とは、
1、心の中にいるやさしいお母さんのような親の心
2、お父さんのようなきびしい親の心
3、いろいろと情報を集めて考えるおとなの心
4、親やおとなのことばに素直にしたがう子どもの心
5、のびのびと自由な子どもの心
わたしたちの心の中には、この5つの心があります。
でも、人それぞれ、5つの心の割合、バランスが違います。
また、表面にあらわれた姿と、心の中は違う場合があるかもしれません。
まず自分の中の5つの心の割合を知ることが大切です。
本の中では、この5つの心それぞれに、長所と短所が書かれています。
では、「キレる」というのは、どこに入っているのか分かりますか?
長所か短所かと聞かれれば、もちろん短所のところに書かれています。
やさしいお母さんのような親の心、お父さんのようなきびしい親の心、情報を集めて考えるおとなの心、素直にしたがう子どもの心、自由な子どもの心のどの心でしょう。
答えは、・・・・・・・・・「素直にしたがう子どもの心」の短所のところに書かれています。
他には、「自由な子どもの心」の短所の中に、「わがまま、感情で動く、がまんできない」と書かれています。
どうやら、5つの心の中で、子どもの心が大きい人、大きい時に、キレてしまうのかもしれませんね。
(他にも食べ物によってキレやすくなるとの考えや、甘い物が原因との説もあります)
さて、5つの心の説明が長くなりましたが、杉田先生のトレーニングのアドバイスを見ていきましょう。
アドバイスの対象者は、こんな人です。
自由な子どもの心が少ない人。
その前に、自由な子どもの心って何でしょうか。
この本の中では、自由な子どもの心のことをちびワンと言っています。
このちびワンとは、
物事に積極的に取りくみ、創造力をゆたかにする働きです。この心がちゃんと働いていると、やる気のエネルギーが高く、のびのびとして明るい人と思われます。パワーが弱いと消極的になり、素直に楽しめなくなったりします。パワーが強すぎると、自分中心になりやすく、はめをはずしたりしてしまいます。
この自由な子どもの心が少ない人、ちびワンが低い人に、杉田先生は、次のようにアドバイスをしています。
ちびワンが低いと、いきいきとした感情をうまく表すことができず、遠慮がちになってしまいます。何かする時も、消極的になり、気分を変えることも苦手です。
ちびワンを高めるにはのびのびするのがいいです。そのためにはまず、自分が感じたことを口に出して言ってみましょう。
「すごい!」と思ったら、遠慮しないで「すごい!」と言っていいのです。まわりの人と感じ方がちがっていても、あなたが「すごい!いいな!」と感動したら、そう言いましょう。
そして、こんな行動をしよう!、こんなことばを使おう!の具体的なアドバイスがあります。
参考になったり、大切だと思ったこと
私たちは毎日、人と会って、あいさつをしたり、話をしたりしています。
場所は、家の中や、学校、会社、公園などさまざまです。
電話や携帯でもやりとりをしています。
あいさつだけで終わるときもあれば、長ーく話をしたり、お話を聞くこともあります。
会話をキャッチボールにたとえると、いつも取りやすいところに投げてくれる人もいれば、取りにくいところに投げてくる人もいます。
取りやすいところに投げてくれても、手が痛くなるような早いボールを投げてくる人もいます。
相手のことだけではなく、自分はどうかな?と考えることも必要ですね。
そんな会話のやりとり、心のやりとりを、3つに分けて教えてくれています。
プラスの心のやりとりを紹介します。
このプラスの心のやりとりは、
「どんどんあげよう」「どんどんもらおう」とのサブタイトルがついています。
プラスの心のやりとりは、3つに分かれます。
- からだのやりとり
- ことばのやりとり
- しぐさのやりとり
の3つです。
からだのやりとり
◆肩に手を置く
◆背中をさすってもらう
◆握手をする
◆ハグする
◆ハイタッチをする
ことばのやりとり
◆ほめる
◆なぐさめる
◆はげます
◆語りかける
◆あいさつする
しぐさのやりとり
◆ほほえむ
◆うなずく
◆だまって話を聞いてあげる
◆気づかう
あまり人にあげない・もらわないほうがいいマイナスの心のやりとりも書かれています。
マイナスの心のやりとりは、自分で、からだのやりとり、ことばのやりとり、しぐさのやりとりを書き出してみて、人にあげないようにしましょう。
お父さんやお母さんといっしょに考えてみるのもいいでしょう。
お父さんやお母さんも、目からウロコの新発見があるこもしれません。
この記事は、みなさんに少しでも役に立ちましたでしょうか。
長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
もし、杉田先生の本が読みたくなったら、まず図書館で探してみてください。
図書館に無くても、リクエストをしたらすぐ購入してくれる図書館もありますよ。
AMAZONで購入する方はコチラ⇒ 『わたしって どんな人?』
この本も役にたっているようです。
⇒『「友達力」で決まる! 子供の「人間関係力」を育むために、親にしかできないこと』
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