宇宙科学が証明した?咀嚼の意義-成績アップとダイエット効果に関係が(歯の話7)

初期の頃の宇宙食の評判は最悪だったらしい。

宇宙食は歯磨きのチューブみたいな容器に入っていて、

絞り出して口に入れるタイプ。

噛む必要がないのです。味わって(?)飲み込むだけ。

これが最先端の食事だったのです。

当時は、栄養素だけバランス良く摂取すれば、食事は事足りると考えられていました。

ところが宇宙飛行士達の評判は最悪で、

まるで接着剤か靴ズミを食べているみたいだった

訓練中に捕まえたヘビやトカゲよりも、まずかった!」といった声もあり、

これを食べるくらいだったら、宇宙には行きたくない」と拒否した宇宙飛行士までいました。

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食べるという行為・咀嚼の意味

食べる

食べることをドイツ語では、 エッセン(essen)といいます。

日本語では、人間もペットの犬やネコも、「食べる」といいますが、

ドイツ語では、動物が食べるのを、 フレッセン(fressen)といい、使い分けています。

人間にもフレッセン(fressen)という言葉も使う時もあるようですが、

その時は、むしゃぶりつく、ガツガツ食う、無作法な汚い食べ方をする等の意味になります。

動物のフレッセンは、生きるために餌を食べる、

それに対して人間は、生きるために栄養を摂ることだけではなく、料理を目で見て、

食器を見て、香りを楽しんで、歯ざわり舌触りを感じて、会話を楽しみながら、

おいしく食べるのです。

何かひとつでも欠けたら、満腹はしても、満足の度合いが下がってしまいます。

地球に帰還してから、宇宙食がヘビやトカゲよりもまずかったと言った宇宙飛行士は、

よっぽどまずいと感じたのでしょう。食べ物の恨みは恐ろしいですね。

岡山大学歯学部附属病院小児歯科の岡崎好秀講師は、次のように話されています。

かつての宇宙食では満腹感は得られても、満足感は得られないのだ。エッセンフレッセンの違い。それは満足感と満腹感の違い。

ところで現在でも、チューブ食は存在する。病院の点滴、鼻から管で胃に流し込む経管栄養。これも一種のチューブ食といえる。これらチューブ食は、噛む必要がない。まさにフレッセンとしての食べ方である。エッセンとして満足感を味わいながら食べること、そのためには噛める歯も大きく関与する。

かつての宇宙食では、宇宙飛行を繰り返すうちに宇宙飛行士の心身の健全性を

維持することができなくなり、今では噛んで食べる固形の宇宙食になりました。

フランスの三つ星レストランのシェフが作った宇宙食まであるそうです。

新聞報道では、 日本のカレーが、スペースシャトルでも大好評だったとの記事もありました。

噛む、咀嚼するという行為は、私たちが普段考えているより凄い意味があったのですね。

魚偏に旨いと書いて、鮨(すし)という字になります。

鮨は、旨いものの代表として日本の食文化に根づいています。

この鮨について、むらつ歯科クリニックの村津和正院長は、次のように述べておられます。

なぜ鮨は旨いのか?ネタの魚とシャリの寿司飯を別々に食べても、あの独特の旨さは感じません。ネタをシャリに乗せて一緒に食べるところに旨さの秘訣があるようです。(中略)例えばタコの鮨で考えてみましょう。一カン口に入れてまずひと噛みすると、タコは一口では噛みきれず、左右どちらかに片寄ります。そしてシャリは反対側に流れます。そこで二噛み目、すると片側ではタコの歯ごたえが脳に情報発信され、反対側では全く異なったシャリの柔らかい歯ごたえが脳に伝えられます。その左右の歯ごたえの違いが、渾然一体なってと微妙なハーモニーを奏で、快感と共に脳に響きわたります。さらにそこにわさびのピリッとした辛さや寿司飯やしょうゆ味が、味覚を通して脳に絶妙な刺激を発生させるのです。その瞬間「旨い!」という喜びが起こるわけです。(中略)巻き寿司やチャーハン、カレーライスがなぜ好まれて旨く感じられるのか、それは同じような歯臓機能の働きがあるからでしょう。

歯臓:むらつ歯科クリニックの村津和正院長が提唱した歯の人体における存在意義を根底から見直す概念を表す造語。歯は、単なる食べる道具としての「歯」ではなくて、心臓、肝臓等他の臓器のように「歯臓」と呼ぶべきだという考え。

「渾然一体なってと微妙なハーモニーを奏で、快感と共に脳に響きわたります」との表現は、

グルメリポーターさながらで、タコの寿司をこれだけ詳細に語れる人もいないと思いますが、

脳は食べ物を噛む音をしっかり聞いているのですね。

歯と脳の正しい関係を分かりやすく述べられています。

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咀嚼と脳の発達の関係

テスト

ネズミの実験ですが、咀嚼と脳の関係が明らかになっています。

生後に2週目のネズミの顎の片側の歯胚を摘出して育てると、摘出した側の反対側の脳の発育が遅れることを確認しています。脳細胞から出ている神経線維は途中で交叉しているため、左右反対に異常が起こるのです。

噛むことによって脳内の循環血液量が増え、0.2度、脳内温度が上昇することや、コレチストキニンと呼ばれる記憶想起物質など、脳内の機能性物質が増大し、脳の発達も早いことが認められています。

固形食を与えられ持続的に良く噛むことができたネズミは、迷路実験や条件回避学習検査で40パーセントから50パーセント、粉末食のネズミより優れた結果を発揮することが報告されています。

これらの動物実験の結果は、脳の発達や機能には歯臓の存在が必須であるという、脳と歯の密接な関係を示しています。

ヒトにおいても、幼稚園児を対象として行われた幾何図形テストで、五歳児の咀嚼回数や噛む力との間に相関関係を認め、日頃から良く噛んでいる子供のテストの成績が、荒噛みの子供より秀でていることが報告されています。

美味しいものを、よく噛んで食べることが、頭の体操になり、全身の健康増進に

つながるようですね。本当に食べたい旨いものを、よく噛んで食べましょう。

よく噛むことで、満腹感も得られ、ダイエットに効果があるといわれています。

肥満外来の患者さんを5000人以上診察されてきた肥満の専門医 吉田俊秀先生は、

痩せるための秘策を教えてくださっていて、その中に咀嚼のことが書かれています。

◎摂取カロリーを守ると、お腹がいっぱいにならないので、秘策を教えている。

◎毎食前に生野菜、特にキャベツを10分間噛ませて、お腹いっぱいにさせます。

◎これがダイエットを成功させる秘訣のひとつ。

◎ドレッシング、マヨネーズはNG。しょう油、ソース、レモン汁、あるいは大根おろし。

◎キャベツを10分間、じっくり噛んで食べる

◎5分噛んだら、だるくなる。でも続けてあと5分噛む。

◎すると脳が勘違いをしてくれる。もうお腹いっぱいだ、と。

◎キャベツには食物繊維が大量に含まれていて便通もよくなる。ビタミンCもある。

◎20キログラムの減量ぐらいまでならシワひとつなく、やせることができる。

また、よく噛むことは時間をかけて、ゆっくり食べるということでもあります。

早食いは満腹感を得られる前に食べ過ぎてしまうことになるので、一石二鳥です。

顎が疲れないように、噛む力も鍛えていきましょう。

脳に良いEPA、DHA豊富なお魚を食べても、よく噛まなかったら、もったいないです。

お子様がいらっしゃるのなら、学業成績アップのためにも、健康のためにも家族全員で、

フレッチャーイズムを始めましょう!一口30回噛みましょう!

よく噛んでいるかどうか判定したくなったら⇒キシリトール噛む力判定ガム

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